涙について


第12章-人前で泣く男について-」(『男たちへ』塩野七生、文春文庫)

自分はどちらかと言えば、というよりもむしろけっこう涙腺は緩いほうである。小中の時はさほどでもなかった気がするが高校の時はよく泣いた。よく、とはいっても3年間通しても5〜6回ではあるがそれでも普通の男よりも多い気がする。人前で泣くのはみじめなことだとは教わったことはないし、むしろ泣きたい時は泣くのがよいと言われてきたくらいだから泣くことに抵抗がなかったのも大きい。


憶えてるだけでも、感動して1回、悲しくて1回、悔しくて3回ほど。*1感動したのは『ビューティフル・マインド』を見たとき。悲しかったのは部活を引退したとき(高3の6月)。悔しかったのは部活でスランプに陥ったときと友達と比べて勉強ができなかったとき。いずれも一番血気盛んな高2の秋だったかなあ。引退のときはもうそれはそれは大泣きで少し恥ずかしかったくらいだ。


塩野七生に言わせれば男の涙は否定はしないが、少々ウサンくさい感じがあるため少し抵抗感があるらしい。ただそのウサンくささが完全になくなり、自己陶酔のかけらも存在しない場合だけは例外だと。それは、別れたいと告げた女に対し、ハラハラと涙を流しながら、留まってほしいと願う男の涙だとか。



まあ自分には全然関係ない話だが



一度くらい別れたい、とか告げられるような修羅場に立ちあいたいくらいである。当たり前だがどうも塩野さんとは住む世界が違いすぎる気がする。ただ自己陶酔と関係のない涙は男女関係以外にもあるとは思うんだけどなあ。確かに部活のスランプの時に流した涙はやや自己陶酔の気があった感は否めないけど(いや一人でこっそり泣いたんだけどね)、引退の時は純粋に悲しくて涙したと思うから。純粋な涙は美しいのだ(多分。



ただよく泣くのも周りが扱いに困ると思うからやめとこう。泣くなら一人で泣こう。自分は一人でテレビ見ててもよく涙腺が緩みます。だいたいがスポーツです。野口みずきが金をとったときや体操団体が金をとったとき、あと誰だか知らないけど(笑ボクシングの試合が終わったとき。ボクシングほど孤独で過酷なスポーツはないと思うからそれを思うと泣けてくる。スポーツ以外では美空ひばりが歌っているVTRが流れた時や(意味不明)、ドキュメントの出産シーンなんかも自然と涙が出てきました。いくらなんでも泣きすぎです。でも塩野さんに言わせれば「感情移入が容易にできる人」らしいので別に悪いことではないですね。



感情移入できるほど純真な心なんだよ!



でも振り返ってみると嬉し泣きがないなあ。
明日は泣けるかな。わくわく。

*1:なんかもう1回ほど泣いた気がするけどあえて封印