『世界の中心で、愛をさけぶ(04年)』


やっと見ました。大沢たかおが出てくると『解夏』を思い出します。『解夏』と『セカチュー』の大沢たかお全く同一人物なんじゃないかな、というくらい雰囲気が似ています。あと主な舞台が海に面した町だということ、雨が降っているシーンが印象的だということ、純愛ものであるということ、といった類似点も見受けられます。



内容の方なんですが、世間で騒がれているほど感動しませんでした。脚本が悪い、というよりもそもそも2時間という短い時間で感動させるというのが相当高度な要求だと思います。亜紀がなぜ朔太郎のことを好きになったのかよくわからなかったために感情移入できなかったし(若すぎるというのもある)、律子の泣きっぷりにもちょっと?でした。



逆に良かったなと感じたところは過去と現代を交互に描き時間軸を二つもうけることで作品に厚みが増したところ*1。また台風、寂しげな港町などが作品全体に漂うどこか暗く、悲しみに満ちた雰囲気を効果的に表象していた気がする。ただ作品を通して何か象徴的なものを置くのはやっぱり常套手段なのかもしれない。ボクはあまり小説は見ないけど、宮本輝の『春の夢』に出てくるトカゲのキンも象徴的なものだったなあと今でも記憶している。

*1:いや、やっぱり現代は必要なかったかもしれない。う〜ん、微妙。