『話す力』(齋藤孝 大和書房、2005年)


また齋藤孝かよ!というツッコミは受け付けておりません。
ボクはひいきめの著者ができたらその人の著作を集中的に読む傾向にありますから。
また他に3冊の本を並行して読んでいたんですがこの本が断トツに読みやすいので今日買ったにもかかわらず一番最初に読み終わりました。


一番印象に残った部分は「人が本気で話を聞くのは、基本的には自分の経験に関係があって共感作用が起こったときだけだ。」の部分です。読んでもほとんど何も得られない本が世の中にごろごろ転がっている中これでも十分な収穫だと思います。さっそく来週のプレゼンに生かしてみようと思います。


ところでこの本を見て感覚的な好悪ほどこの世において影響を与えるものはないと思いました。


いや、この本の内容は直接関係ないんですがこの本に載っている小林秀雄氏の文章を見てそう感じました。ボクは今まで秀雄さんはスゴイ人なんだと入試の評論を見ただけで思っていたんですが、どうも大学入ってからあまり関心が向かないんです。



いや、日本の評論のスタイルに大きな影響を与えたのは間違いないと思いますが(たいして文章読んでないから知らんけど)丸谷才一さんがこの秀雄さんをあまり好いてないとわかると丸谷さんをひいきしているボクとしては秀雄さんに対しては知らぬ間に敬して遠ざけるようになってしまったんですね。



実際秀雄さんの文章をたいして読んでないことがここに来て大きな影響を及ぼしたわけです。もっと読んでればそれなりに伝わってくるものがあってボクの行動も今とは違ってたものになっていたはずですから。



本当にその対象に対する感覚的な好悪というものは恐ろしいものがあります。手にとって確かめたり、見たり、体験したりする前に先入観で物事を判断するのは良くない。わかってはいるけど実際先入観、というかほんの少しの情報やネット上の、真偽もよくわからない情報に影響を受けている部分ってかなりあると思うんですよ。



南無三・・。今度秀雄さんの文章もきちっと読んだ上で自分なりの判断をしよう。